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ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」

バルビローリ指揮 ハレ管弦楽団 1958年9月3日録音


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望郷の歌

ドヴォルザークが、ニューヨーク国民音楽院院長としてアメリカ滞在中に作曲した作品で、「新世界より」の副題がドヴォルザーク自身によって添えられています。

この作品はその副題が示すように、新世界、つまりアメリカから彼のふるさとであるボヘミアにあてて書かれた「望郷の歌」です。

この作品についてドヴォルザークは次のように語っています。
「もしアメリカを訪ねなかったとしたら、こうした作品は書けなかっただろう。」
「この曲はボヘミヤの郷愁を歌った音楽であると同時にアメリカの息吹に触れることによってのみ生まれた作品である」

その言葉に通りに、ボヘミヤ国民楽派としてのドヴォルザークとアメリカ的な語法が結びついて一体化したところにこの作品の一番の魅力があるといえます。
さらに、過去の2作がかなりロマン派的な傾向を強めていたのに対して、この9番は古典的できっちりとしたたたずまいを見せていることも、分かりやすさと親しみやすさを増しているようです。

初演は1883年、ドヴォルザークのアメリカでの第一作として広範な注目を集め、アントン・ザイドル指揮のニューヨーク・フィルの演奏で空前の大成功を収めました。

実に立派で堂々たる演奏


これは素晴らしい演奏です。
第1楽章はこのコンビならこうなるだろうという予想を外して、速めのテンポで直線的にグイグイと造形していくので少し驚かされます。そして、続く第2楽章では「期待」にこたえてしみじみとした情緒にあふれた歌心を聞かせてくれます。
しかし、第3楽章、第4楽章では再び速めのテンポに戻って、これまた直線的にくっきりとした造形で音楽を仕上げています。
つまり、「バルビローリ=情緒纏綿」と言う図式に当てはめるといささか期待を裏切られる演奏なのですが、そういう「先入観」を捨てて聞けば実に立派で堂々たる演奏であることに誰も異論はないでしょう。
そして、鳴らすところはとことん鳴らしきるというスタンスを貫いているので、生理的な爽快感にも不足しません。

ただ、一つだけ贅沢を言わせてもらえば、弱音部になると音だけでなく緊張感まで小さくなってしまって、少し粗雑になる感じが否めないことです。
しかし、世間一般で言われるほどにハレ管は下手なオケではありません。
この演奏の雰囲気を聞く限り、ほとんど一発勝負で録音したような雰囲気です。ここぞという場面に来ると、バルビローリのうなり声も聞こえてきますからそれはほぼ間違いないと思います。もちろん、細かい傷などは手直しはしたのでしょうが、なかには音楽の勢いみたいなものを重視して放置された些細な傷もあります。

世間にはそのような些細な傷が我慢できずに、悲しくなるような演奏だという人もいるようですが、私はそうは思いません。
ですから、後年のような徹底的なテープの継ぎ接ぎで一切の技術的なミスを消し去った録音と比較して云々するのは基本的に間違っています。それよりは、そう言う技術的完璧さだけが重視されて、肝心の音楽の流れや勢いがスポイルされてしまったような録音の方がはるかに悲しくなってしまいます。

もちろん、この考え方を他者に押しつけるつもりはありませんが・・・。