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ガーシュイン:ラプソディー・イン・ブルー
バーンスタイン指揮 コロンビア交響楽団 (P)バーンスタイン 1959年録音をダウンロード
ガーシュインの”クラシック音楽”デビュー作
初演はガーシュイン自身のピアノとポール・ホワイトマン楽団によって行われました。(1924年)
ガーシュイン自身が作曲したのは2台のピアノによる、それも草稿程度のものだったようです。それをオーケストラ版に仕上げたのは楽団付属のアレンジャーだった、ファーディ・グローフェです。(そうです、あの「グランド・キャニオン」で有名なグローフェです。)
彼は、その後もこの作品の改訂と編曲に尽力をして、最終的には1942年に大編成のオーケストラ版を完成させます。そんなわけで、この作品の実体はガーシュインとグローフェの合作みたいなものだといえます。
実際、クラシックのコンサートで演奏されるのはこの42年のオーケストラ版です。
しかし、ユング君はあまり詳しくないのですが、シンフォニック・ジャズとしてこの作品を捉えるジャズ・オケなどでは、小編成のオリジナル版で演奏することが多いようです。プレヴィンなんかもこのスタイルで録音をしていますが、全く音楽の雰囲気が違います。
それから、ピアノソロに即興的なアドリブを入れたものも多いですから、ますます雰囲気が変わってしまいます。いったいどれが本当の「ラプソディー・イン・ブルー」なんだ?と聞かれてもとまどってしまうと言うのがこの作品の特徴だともいえます。
でも、そんなややこしい話は脇においておくとして、とにかく「粋」な音楽です。冒頭のクラネリットのメロディを聴くだけで嬉しくなってしまいます。20世紀に入って行き詰まりを見せ始めたクラシック音楽の世界にとって、このような響きがとても新鮮に聞こえたことだけは事実です。
あのマングースは、なかなかに凄い
「ラプソディ・イン・ブルー」と言えば、「のダメカンタービレ」ですっかり有名になってしまいました。そして、この私ものだめがマングースのぬいぐるみをかぶってピアニカで演奏する場面を偶々見てしまって、「やられた!!」と思ってしまい、それまで馬鹿にして見なかったこのドラマをとりあえずは一通り見てしまうきっかけとなったのでした。
その辺の経緯は過去のブログを振り返ってみると、こんな風に書いていました。
「ところが、ふとしたはずみであのドラマをみてしまったのです。
昨年は11月に父が亡くなり、母と義母が相次いで入院するという最悪の年で、年末も入院継続中の母を一時引き取っていたのです。それで、いつもはあまり見ないテレビを母のためにつけっぱなしにしていて、たまたまそれが年末一気放出の「のだめカンタービレ」だったのです。
「なるほど、これが噂の『のだめ』か・・・」と思いながら年末の忙しさの合間にチラチラ見ていたのですが、一気に興味をひかれたのがピアニカ版のラプソディー・イン・ブルーでした。そう、のだめがマングースのぬいぐるみを着てピアニカでソロをやった演奏です。
私の手もとに、ガーシュインがピアノソロを演奏したとっても古い録音があります。初めて聞いたのは数年前なのですが、そのあまりのアクの強さに驚かされ、同時に作曲者がイメージしたラプソディー・イン・ブルーがこんなものなら、いわゆるクラシック音楽として演奏される大部分のラプソディー・イン・ブルーはあまりにもお行儀がよすぎるのではないかという思いがしたものです。そして、ラプソディー・イン・ブルーという作品は、ジャスのようにその時々の雰囲気に合わせてもっと自由に楽しくやる事こそが、作曲者の意図に忠実なのではないかと思った次第だったのです。
ですから、このピアニカ版のラプソディー・イン・ブルーをドラマで聞いたときは「やられた・・・!!」と思いましたね。」
そして、そのガーシュイン自身による演奏というのがこれです。とても古い演奏なので今まではアップするのも躊躇われたのですが、これを聴いてもらわずして、私の言いたいことは理解してもらえないだろうと思うので紹介します。
1927年という超絶的に古い録音ですが、面白さという点では出色です。
(P)ガーシュイン ポール・ホワイントマン指揮 ポール・ホワイトマン楽団 1927年録音
これを聞き、そしてマングースを一度聞いてしまうと、この作品のスタンダードと言われ続けてきたこのバーンスタイン盤は本当にガーシュインが思い描いていたような音楽だったのかという「恐れ多い」疑問がわき上がってきます。
もちろん、音楽というものは原作者の表現が絶対でないことは事実です。しかし、クラシック音楽としての「ラプソディ・イン・ブルー」の中では最もジャズ的だと言われ続けてきたこの録音でも、あまりにもお上品にすぎるような気がしてしまうのです。
そう言う意味では、あのマングースは、なかなかに凄いのです。