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シューマン:交響曲第3番 変ホ長調  「ライン」 作品97


セル指揮 クリーブランド管弦楽団 1960年10月21日録音をダウンロード


祝典的な雰囲気にあふれた作品です



番号は3番ですが、作曲されたのは4曲の交響曲の中では一番最後に作曲されました。

1850年にシューマンはデュッセルドルフ市の音楽監督に就任し、ドレスデンからライン河畔にあるデュッセルドルフに居を移します。これを契機に作曲されたのがこの第3番の交響曲であるために一般に「ライン交響曲」と呼ばれますが、これはシューマン自身が与えた標題ではありません。
ただ、この作品に漂う民族的な舞曲を思わせる雰囲気がライン地方の雰囲気を彷彿させるという話もあるので(ユング君はその「ライン地方の雰囲気」と言うのがどういうものなのかは分からないのですが・・・)、それほど的はずれの標題ではないようです。

どこか内へ内へ沈み込んでいくようなシューマンの交響曲の中で、この第3番のシンフォニーだけは華やかさをふりまいてくれます。とりわけ最終楽章に響くファンファーレは祝祭的な雰囲気を盛り上げてくれます。それから、この前に置かれている第4楽章は全体の構成から見てみると、「間奏曲」のようなポジションにあることは明らかですが、実際に聞いてみるとこの楽章が一番充実した音楽のように思えます。最後に弦のトレモロにのって第1主題が壮麗な姿で復帰してくるところなどはゾクゾクしてしまいます。

こういう形式はベートーベンが確立した交響曲のお約束からは外れていることは明らかです。ベートーベンの交響曲の継承者はブラームスと言うことになっていて、その間に位置するシューマンは谷間の花みたいな扱いを受けているのですが、こういう作品を聞いてみると、確かに方向性が違うことが納得されます。

この響きの何と魅力的なことか

こういうサイトをやっていて困るのは、再生機器の構成を変えることによって、今まで聞いていた雰囲気が大きく変わることです。とりわけ、PCオーディオの世界ではお金をかけなくてもPCのチューニングや再生ソフトの変更でガラリと変わることがあります。
今回も、再生ソフトを「cMP2 = cMP + cPlay」と言うのに変えて、その驚愕の変わりぶりに「困ったなぁ!」嬉しい悲鳴を上げています・・・等と数年前に書きました。
それからシステムのメインはWindowsからLinuxに変わり、再生システムも「Voyage MPD」がメインとなり、徹底的なノイズ対策の結果、その嬉しい悲鳴はとぎれることなく続いています。(^^v

セルという人は、シューマンに関しては「原典尊重」ではなかったようです。
オーケストレーションの不都合な部分は結構手を入れているようで、結果としてすっきりとして明晰な音楽に仕上げていました。もちろん、このコンセプトに対する認識が変わったわけではありません。
変わったのは、このコンビが作り出していたオケの響きです。

以前のシステムでは造形もすっきり、響きも結構クリアだと感じていました。
ところが、新しいシステムでは、同時期に録音されたシューベルトやドヴォルザークとは全く異なる響きであることが手に取るように分かります。
とくに、シューベルトが明暗のはっきりとしたコントラストの強い明晰な響きだったのに対して、このシューマンの響きは薄日のもとで光と影が無限のグラディエーションでぼかされたような世界です。よくシューマンの響きは「くぐもったような」と表現されますが、この響きの何と魅力的なこと!!

ああ、セルのことを機械的で冷たいと言ったのはどこのどいつだ!!
50年代の終わりの、まさにオケを極限まで絞り上げてドライブしていた時代でも、こんなにも微妙なニュアンスにとんだ音楽を展開していたのだ!!
でも、悲しいかな、その響きを大部分の人が享受できずにいたのです。(私も含めて)

16bit、44.1kHzのCDの規格はとかく問題視されてきました。しかし、最近になって、私たちは果たして「16bit、44.1kHz」の世界を汲みつくしてきたのだろうかと疑問に思うようになってきました。(こう書いた思いは、今はさらに強くなっています)
確かに、どの様な貧弱な音質でも音楽的な感動は得られます。しかし、演奏家が心血をそそいで作り上げた響きの世界を誠心誠意くみ取ろうとする中で得られる感動もあります。私はその様な努力は決して怠りたくないと思っていますし、今回のことはその様な「頑張り」に対する「ご褒美」かなと思っています。

ああ、それにしても、この響きの何と魅力的なことか!! (でも、圧縮したMP3ファイルで、どこまで伝わるかは疑問ですが・・・、それがとっても残念)

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